なぜ、デンタルフロスを使わないといけない?

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歯科医院で歯科衛生士や歯科医師から歯磨きをする時にデンタルフロスを使用するように

言われたことはありませんか。

 

だけど、デンタルフロスはそもそも使用する必要があるのかと

疑問に思われる方も多くいらっしゃると思います。

 

今回はなぜ、デンタルフロスが必要なのかをお話したいと思います。

 

まず、はじめにお伝えしたいのが歯ブラシだけのケアだと不十分であるということです。

どれほどかというと、歯の汚れのおおよそ60~70%割程度しか落とすことができません。

残りの30%以上はどこかというと、歯ブラシが届きにくい「歯と歯がくっついているところ」と「歯の根元」です。

この場所が虫歯や歯周病菌の温床となります。

 

左右を歯で挟まれた部分や歯の根元には歯ブラシの毛先が届かないので、細菌が多く存在する場所です。

そんな時にデンタルフロスが効果を発揮します。直接狭い歯のすき間に入り込むので、汚れをしっかりと取ることができます。

 

歯と歯がくっついているところに溜まった歯垢に、細菌たちの餌となる砂糖が加わることで、酸が作られて歯を溶かしていき、虫歯をつくります。

どんなに歯ブラシで歯を磨いていても、デンタルフロスを使って歯間掃除をしていないと、虫歯と歯周病のリスクは避けられません。

 

最近では歯肉炎と早産の関係が指摘されています。妊娠中は、エストロゲン、

プロゲステロンといったホルモンが分泌されますが、これらは歯周病菌と関係が強いものです。

妊娠中にしっかり歯間の掃除ができていないと、歯肉炎になりやすくなるのはこれらが関係しています。

妊娠中に歯周炎にかかるとプロスタグランジンという物質が多く分泌されてしまい、

その結果早産を誘発させる原因となります。

 

デンタルフロスは、海外で“Floss or Die(フロスか死か)”という言葉があります。

その結果海外の現在では6割以上の人が、習慣的にデンタルフロスを使用していると言われています。

それに比べ、残念ながら日本人の使用率は10~15%といわれています。

 

〇デンタルフロスの使用時期、使い方について

毎食後、歯ブラシで歯を磨いた後にデンタルフロスを使うのが理想です。でも、実際は難しいと思います。

まずは寝る前をしっかりするようにしましょう。寝ている間は、唾液があ少なく菌が繁殖しやすくなります。

寝ている間に菌を増やさないために、寝る前に歯垢をしっかり取り除いておく必要があります。

 

デンタルフロスを歯磨き前にする方が望ましいですが、習慣化することを最重要にしていきましょう。

 

デンタルフロスにもいろいろな種類がありますが、糸巻きの物を使用されるときに、

一番初めに疑問に思うのが何センチ必要なのか?があるかと思います。

だいたい目安で40cmぐらいです。

指先から肘まで伸ばした長さがそれぐらいの長さになります。

それから両手の中指に巻き付け、親指と人差し指で挟んで持ちます。

歯間に入れる部分を2~3cmほど空けて持って歯と歯の間に入れます。

この時にフロスを入れるだけで汚れが取れると思われる方が多くいらっしゃいますが、

それだと十分に歯と歯の汚れを取ることはできません。

歯間に差し込むときは、フロスを持ったまま手を左右交互に動かしながら

歯ぐきの根元を傷つけないように気を付けながらゆっくりと入れていきましょう。

歯間にデンタルフロスが入ったら、どちらかの歯の側面に糸が当たるようにフロスを押しつけながら、

上下に動かして汚れを取っていきます。大体5回程度動かします。

次に反対側に糸を当て、同様に5回程度動かします。

綺麗になったらフロスを抜き、全体も同じようにします。

 

フロスに汚れが付いた場合はフロスを持つ場所をずらして、汚れがついていない場所を使うようにしてください。

もし、上手くずらせない場合は、水洗いをして綺麗にしましょう。

原則使いきりで、次に使用するときは新しいものを使いましょう。

少々強い力でデンタルフロスを使用しても歯自体は動くことがありません。

なので、デンタルフロスを使って歯の間が広がることはありません。

もし、広がったように感じられた方は、炎症で腫れていた歯肉がしっかりとケアされたことで、

歯ぐきが引き締まったことが考えられます。なので、良い状態になったと考えてもらうといいと思います。

 

フロスが歯に通したときにすぐ切れてしまう場合は、

以前に治療をした虫歯治療の被せものが合っていなかったり合わなくなった、

虫歯ができて歯と詰め物、被せ物に段差ができていたりして、フロスが引っ掛かってしまい切れた可能性があります。

そういった段差や欠けは、細菌の住みやすい場所になるため、

放置をしたままにしていると虫歯になることがあります。早めに歯科を受診するようにしましょう。

 

執筆者:クリニックマネージャー 平野孝彦

 

医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科

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