高齢者に多い根面う蝕 たんぱく質分解酵素の関与が明らかになりました

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高齢者で増えているむし歯「根面う蝕(こんめんうしょく)」の原因は、菌が作る酸によって歯が溶けることに加え、

歯に元から存在するたんぱく質分解酵素の活性化も原因であることが、

東北大学大学院歯学研究科の研究によって明らかになりました。

このたんぱく質分解酵素は食べ物や飲み物に含まれている弱い酸にさらされることで活性化すること、

また、むし歯の進行を抑える成分として知られているフッ化ジアンミン銀や

お茶に含まれるカテキンなどの物質がたんぱく質分解酵素の働きを抑制することもわかりました。

これらの結果から、根面う蝕の予防には、プラークコントロールに加え、

タンパク質分解酵素の酵素活性コントロールも必要であると考えられるそうです。

【この研究は、米歯科雑誌「ジャーナル・オブ・デンティストリー」2023年4月号に掲載】

 

近年、口腔ケアの意識の高まりから成人の残存歯は増えてきているのですが、残っている歯が多い分、根面う蝕が増加しています。

 

根面う蝕とは、加齢や歯周病などで歯茎が下がり、

露出した歯の根元の部分に歯垢(プラーク)が付着することでできるむし歯です。

歯茎が下がってくると、今まで歯茎の中に埋まっていた象牙質という組織がむき出しになります。

象牙質はお口の中の細菌の酸に弱く、露出した部分はむし歯になりやすいのです。

40代で急増し、以降加齢と共にリスクが高まり特に高齢者に多く見られます。

 

根面う蝕は、見た目にも目立たず、痛みなどの自覚症状がないことが多く、

気がつかない間にあっという間に進行し、ある日突然歯が割れたり折れたりしてしまうこともあります。

歯科で定期的にお口のチェックを行うことが大切です。

 

今回の研究での発見が、さらなる病態解明や予防薬の開発につながっていくことが期待されています。

 

執筆者:院長 森川貴史

 

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すが歯科・矯正歯科 門真守口院 大人こどもクリニック

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