歯科治療の進化

昔は歯科治療と言えば、虫歯を削って穴を埋める。という治療が主流でしたが、

現在では虫歯になってからの治療ではなく虫歯になる前の予防を大切にする“予防歯科”の考え方の浸透により、

近年では子供を中心に虫歯は減少しています。

その一方で、増加してきているのが歯周病で、その予防・治療の需要が高まっています。

 

そんな中、日本の歯科治療は経験や勘に基づく治療中心だったところから、

経験に加えてエビデンス(科学的根拠・裏付け)を重視し、両方を織り込んで治療を行う傾向に変わってきています。

 

歯科治療は使う器具や材料の発展とともに進化する世界であると言われ、

テクノロジーの発展とともに日々進化しています。

最先端の治療や機器についてご紹介したいと思います。

 

・マイクロスコープ

マイクロスコープは医療用の顕微鏡です。肉眼の20倍まで患部を拡大でき、

今まで肉眼では見えなかった小さな病変も、歯の奥の微細な構造も確認が可能です。

従来であれば肉眼で、経験と勘にたよっていた治療が、

勘に頼ることのない正確な治療を実践することが可能になるのです。

 

マイクロスコープは主に根管治療に使用されます。根管治療とは、虫歯菌に侵された神経や歯を除去し、

歯茎の根管をきれいにする治療で、主に虫歯菌が神経まで到達してしまったような重度の虫歯に対して行われます。

 

現在、日本のほとんどの歯科医院で、この治療は保険診療で行われています。

保険治療は安いなどのメリットがありますが、使用できる器具や時間の制限があります。

 

歯科治療の中でも特に高度で繊細な技術を要する根管治療ですが、保険診療では肉眼で、

使える器具や時間も限られた中で行うため保険診療だけで充分な治療を行うには限界があり、

日本での根管治療の成功率は30~50%程度だと言われています。つまり、半数以上が同じ歯の再治療を要します。

これに対し、アメリカの根管治療は治療に制限のない自由診療(保険外診療)で行われるため、

マイクロスコープなどの精密機器を使用した最先端の治療が受けられ、専門医による治療の成功率は90~95%です。

 

自由診療は保険治療に比べて高額にはなりますが、専門医による自由診療でここまで完治率が変わってくるのです。

 

・口腔内スキャナー

詰め物などを制作する際に使用します。お口の中をカメラでスキャンし、

そのデータから被せ物や詰め物などの技工物を制作します。

 

旧来は、詰め物をつくる際には、生暖かいペースト状のものを口に流し込まれ、

噛んだまま数分動かずにじっと待つ…。そして歯の型取りに石膏を入れて模型をつくり、

歯科技工士が手作業で仕上げていました。スキャナーを使用することで、より正確なものが完成し、

そして型取りの際の不快感からも解放されます。型取りが短時間ですむので負担も少なくなります。

 

・CAD/CAM

口腔内に装着する詰め物などを、コンピューターを用いて設計や生産を行う技術です。

光学センサーの3Dカメラで歯型をスキャンし、CAD/CAMで画像処理を行い、

データが切削装置に送信されることでセラミックのブロックから技工物を削りだされます。

 

旧来であれば、虫歯を削ったその日は歯型を取って仮歯を入れる→後日詰め物を装着する。

という流れでしたが、CAD/CAMを使用すれば画像編集に3分程度、

削り出しは最短7分~加工ができ、セラミックは歯の色に合わせての調整も可能です。

 

セラミック技工物の良さは、銀歯のように時間経過で接着が悪くなり再度虫歯になってしまうリスクが少なく、

長期間安定して接着することです。仮歯なしですぐに技工物を付けられるので接着が万全になるのです。

 

詰め物・被せ物はその日のうちに完成し、1日で治療が完了することが常識になる日も近いうちに現実となるかもしれませんね。

 

医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科

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