歯周病の原因菌が子宮内膜症の発症を誘発する可能性について、研究結果が発表されました

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名古屋大学が先月、歯周病の原因菌であるフソバクテリウム(Fusobacterium)という細菌が、

子宮内膜症の発症を誘発する可能性についての研究結果を発表しました。

【この研究成果はScience Translational Medicineに掲載】

 

・子宮内膜症とは

子宮内膜症は、子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し、

発育する疾患です。痛みや不妊症、がん化などの問題を引き起こします。

月経がある女性の約10%が罹患すると言われ、20~30代で発症することが多い病気です。

発症メカニズムはまだはっきりとわかっていません。

 

子宮内膜症の治療方法は、ホルモン剤内服による治療や手術による治療がありますが、

どちらも薬剤の副作用と高い再発率が問題となっています。

また、どちらの治療も妊娠に与える影響がおおきく、

妊娠を希望する女性でも安心して受けられる新たな治療法の実現が切望されています。

 

・研究から分かったこと

研究は、子宮内膜症発症のメカニズムの解明と、

妊娠を希望する女性も使用することができる新しい治療方法を見つけることを目的として行われました。

その結果、マウスを用いた検証で、フソバクテリウム(口腔内の常在菌で歯周病の原因菌)が

子宮内膜症の発症メカニズムの一要因であること、フソバクテリウムに対して抗生剤治療が有効であること、

フソバクテリウムの除菌により病変形成が改善することを発見しました。

 

さらにこれらの研究成果から、子宮内膜症患者への抗生剤を用いた治療が有効であるかについての研究が、

現在進められているそうです。

 

抗生剤治療は、妊娠を希望する女性が子宮内膜症に罹患した時にも安心して使用できる新たな治療法となる可能性が期待されます。

 

執筆者:院長 森川貴史

 

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