根管治療後の歯の寿命はどのくらい?歯の神経をとると歯の寿命は短くなります

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アメリカの研究所により、根管治療を受けた歯の寿命がおよそ11年である、という研究結果が報告されました。

この研究結果は、「Journal of Dental Research」(2022.5.12)掲載されているものです。

 

・そもそも根管治療とは

根管治療とはむし歯菌に冒された神経や歯を除去し、歯茎の根管を綺麗にする治療です。

主にむし歯菌が神経に到達してしまったような、重度のむし歯に対して行う治療です。

歯科医院で、神経をとりましょう。と言われたときに行われる治療のことです。

歯の神経をとっても、歯は残るし、むし歯は治るし、大丈夫でしょ?と

思っている方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。

根管治療を行うことで、しばらくの間は歯を維持することが可能ですが、

神経を失うことでその歯はもろくなり、歯の寿命はとても短くなってしまいます。

いずれは抜歯となってしまうのです。

根管治療を行った後の歯は寿命が短くなってしまうため、出来るだけ歯科医はその処置を避けたいのですが、

むし歯の進行度によっては、痛みや病気の進行を止めるために根管治療が必要となります。

 

 

・歯の神経をとると…

歯の神経には血管があり、歯に栄養と水分、酸素等を運ぶ役割があります。

神経をとることで歯には栄養がいかなくなり、もろくなってしまい欠けたり割れたりしやすくなります。

 

また、神経がない歯は痛みを感じないために、被せ物の下でむし歯になっていたとしても気が付きにくく、

むし歯が重症化しやすくなります。すでに大きく削ってもろくなっている歯に再びむし歯ができてしまうと、

さらに寿命が短くなってしまうのです。

 

・根管治療後の歯の寿命は、約11年

今回アメリカで行われた研究では、根管治療を受けた後、歯の劣化が進む期間について調べるため

アメリカの99カ所の歯科医院で根管治療を受けた患者46702人(根管治療を受けた歯の本数71238本)のデータを分析したものです。

 

その結果、根管治療を受けた歯の寿命は中央値(データの数値を小さい順に並べたときに真ん中の値)11.1年でした。

そして、根管治療を受けた歯のうち20年以上残存しているのは26%であることが明らかになりました。

 

・根管治療後の歯を長持ちさせるためには?

根管治療後の歯を長持ちさせるためには、毎日の丁寧な歯磨きと、定期的なメンテナンスによって

再びむし歯になるのを予防することが大切です。定期的にメンテナンスに通うことで、むし歯や歯周病の早期発見だけでなく、

歯が折れてしまう原因となる食いしばりや歯ぎしりの有無なども確認してもらうことができます。

 

また、根管治療が必要になった場合には、

マイクロスコープ(視野を20倍に拡大し、非常に細い根管内でも正確な治療を可能にします)や

ラバーダム(治療中の再感染を防ぎます)を使用する精密根管治療を行っている医院で治療を受けることをおすすめします。

根管治療の成功率があがり、歯の寿命をのばすことにもつながります。

 

・歯の神経をとらないために、早期発見・早期治療が大切

むし歯を早期に発見し、早期に治療を行うことができれば、歯の神経を残すこともできるかもしれません。

むし歯は初期段階であれば、簡単な治療ですみ、治りも早いですが、自分で初期のむし歯に気づくことは難しいです。

痛みを感じてから歯科医院へ行くのではなく、普段から定期的に検診を受け、予防・早期発見・早期治療ができるようにしましょう。

 

お口のことで気になることがございましたら、ぜひご相談ください。

 

 

医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科

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