新たな歯周病重症化のメカニズムが明らかになりました

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新潟大学の研究で、“エラスターゼが歯周病を重症化させる”という新しい歯周病重症化のメカニズムが発見されました。

 

・歯周病とは

歯周病とは、細菌の感染によって起こる歯周組織(歯を支える周りの組織)の病気です。

歯と歯ぐきの間の汚れが原因で起こり、歯周病菌が増えて毒素が歯周組織を破壊し、

骨を溶かし最終的には歯を失う原因となる恐ろしい病気です。

日本人の約8割が歯周病だと言われていますが、痛みがないままに進行するため、

気が付きにくく、知らず知らずのうちに進行していることもあります。

 

・新たに発見された歯周病重症化メカニズム

患者の歯周組織中にエラスターゼが多いと重度の歯周病を発症する。

ということが報告されていましたが、その詳しいメカニズムはわかっていませんでした。

 

エラスターゼとは、免疫細胞の一つである好中球が持つたんぱく質分解酵素です。

炎症が起きた際に、細菌などの異物を分解し、体を守る働きがあります。

 

今回の研究で、本来は体を守るための働きをするとされているエラスターゼが、

細菌の侵入を防ぐために接着している細胞同士(細胞接着分子)を破壊・剥離することが明らかになりました。

それにより、歯周病が重症化してしまうのです。

 

また、エラスターゼを阻害する薬によって、歯を支えている骨が溶けるのを防ぐことができた(マウスに対して)

ことも報告されました。これにより歯周病の重症化を抑制できる可能性がある、ということで、

まだ実験段階ではありますが、耐性菌リスクがない新たな歯周治療へつながる可能性として期待されています。

 

新たな歯周病重症化メカニズムを解明 - 歯周病治療法の開発につながる可能性 -(新潟大学プレスリリース)

【掲載誌】Scientific Reports

【論文タイトル】Neutrophil elastase aggravates periodontitis by disrupting gingival epithelial barrier via cleaving cell adhesion molecules
【著者】Takumi Hiyoshi, Hisanori Domon, Tomoki Maekawa, Hikaru Tamura, Toshihito Isono, Satoru Hirayama, Karin Sasagawa, Fumio Takizawa, Koichi Tabeta, Yutaka Terao

 

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