2025/02/13
次世代のインプラントは…
口腔の健康状態が低下すると、要介護や死亡のリスクが高まる可能性があることが明らかになりました。特に、グミを15秒間咀嚼し、どれだけ細かくできるかというテスト結果が、これらのリスクと最も強く関連しているというものです。
この研究は、島根大学研究・学術情報本部 地域包括ケア教育研究センターの安部孝文氏らが、島根県歯科医師会や国立保健医療科学院と共同で実施したもので、「The Lancet Healthy Longevity」に2024年10月17日付で発表されました。
近年、高齢者の口腔機能の低下を「オーラルフレイル」と呼び、その影響が全身の健康にも及ぶことが指摘されています。これを予防・改善するため、75歳以上の高齢者を対象に「後期高齢者歯科口腔健康診査」が全国で実施されています。本研究では、島根県内で実施された健診データを用い、口腔機能の低下と要介護・死亡リスクとの関連を調査されました。
対象は、2016~2021年度の健診を1回以上受診し、介護保険を利用していない島根県在住の高齢者2万2,747人(平均年齢78.34歳、男性42.74%)。このうち、介護保険を利用せずに死亡した人を除いた2万1,881人(平均年齢78.31歳、男性41.93%)を要介護リスクの解析対象としています。要介護は、要介護度2以上と認定された場合と定義しています。
口腔の健康状態は、13項目の指標(残存歯数、咀嚼機能、歯周組織の状態、嚥下機能、構音障害、口腔乾燥など)で評価。そのうち、客観的な咀嚼機能は「グミを15秒間噛んで何個に分割できるか」というテストで測定し、以下の4段階に分類したものです。
追跡期間(死亡に関して平均42.6カ月、要介護に関して41.4カ月)の間に、1,407人が死亡、1,942人が要介護認定を受けていました。統計学的な調整を行った結果、口腔の健康状態の13項目すべてが死亡リスクと有意に関連していることが判明しました。
例えば、残存歯数が0本の人は28本以上ある人と比べて63%死亡リスクが高く(ハザード比 1.63)、グミの咀嚼機能が最低四分位群の人は、最高四分位群の人と比べて87%高いリスクを示しました(HR 1.87)。
要介護リスクについても、口腔乾燥と口腔粘膜疾患を除く11項目で有意な関連が確認されました。残存歯数が0本の人の要介護リスクはHR 1.50、グミの咀嚼機能が最低四分位群の人のリスクはHR 2.25でした。
口腔の健康状態に関する各指標のリスク寄与割合を分析した結果、グミ咀嚼テストによる客観的な咀嚼機能の低下が、要介護および死亡リスクと最も強く関連していることがわかりました。具体的には、最低四分位群では死亡リスクの16.47%、要介護リスクの23.10%がこの因子によると推定されました。
本研究の結果から、高齢者の口腔の健康を維持することが、要介護や死亡リスクの低減につながる可能性が示唆されました。研究チームは、「今後、歯科治療や介入による効果を検証することが求められる」と述べられています。
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執筆者
医療法人凌和会すが歯科矯正歯科
理事長 菅 良宜
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
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