入れ歯の表面の細菌のコロニーが肺炎発症につながる可能性についての研究報告がありました

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有害な細菌が、入れ歯の表面にコロニー(細菌の集まり)を形成していることがあり、

それが肺炎発症につながる可能性があることが新たな研究でわかりました。

【この研究は、イギリスカーディフ大学の研究によるもの。2023年6月21日Journal of Medical Microbiologyに掲載】

 

・研究の内容と結果

研究の対象は、入れ歯を使用していて肺炎に罹患していない介護施設入居高齢者35名と、

入れ歯を使用していて肺炎の確定診断を受け入院している高齢者26名で、

対象者の舌の背部や入れ歯などの場所からサンプルを採取し、細菌の種類と量を特定し検証を行いました。

 

その結果、介護施設の入居者よりも入院中の肺炎患者の方が

肺炎の潜在的な原因菌の量が有意に増加していることがわかりました。

 

研究の結果から、入れ歯が肺炎の発症に関与していることが考えられ、

入れ歯の洗浄を適切に行わなければ、入れ歯の表面に細菌のコロニーが形成される可能性があるそうです。

 

 

・お口のケアをして肺炎のリスクを減らしましょう

厚生労働省が発表している人口動態統計調査によると、肺炎は令和4年の死因第5位です。

肺炎で亡くなる方のほとんどは高齢者で、特に誤嚥性肺炎には注意が必要です。

誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが誤って気管に入ってしまい、

肺に流れ込んだ細菌が繁殖することでおこる肺炎です。

お口の中の細菌が原因であることが多く、口腔ケアを行いお口の中の細菌をできるだけ減らすことで、

誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。

 

入れ歯にも、歯と同じようにプラーク(細菌)が付きます。

入れ歯だから、歯がないから磨かなくても良い、というわけではありません。

入れ歯に細菌が多いと、唾液に含まれる細菌も増えるので、毎日の入れ歯のケアは欠かせません。

 

お口のことで気になることがございましたら、ぜひご相談ください。

 

執筆者:院長 森川貴史

 

医療法人凌和会

すが歯科・矯正歯科 門真守口院 大人こどもクリニック

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