いびきの運動療法について

いびきに対する運動療法は、大きく二つの方法に分けられます。一つは体重を減少させるためのエクササイズで、もう一つは気道のスペースを広げるための口腔咽頭のエクササイズです。

口腔咽頭エクササイズとは?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、気道が狭くなることで呼吸が一時的に停止したり、浅くなったりする症状です。これにより、日中の眠気や集中力の低下、疲労感が引き起こされます。OSAの治療には、持続的な気道圧をかけるCPAP療法が有効であり、特に無呼吸低呼吸指数(AHI)が30以上の重度症例に対しては効果が高いとされています。しかし、AHIが30未満の軽度から中等度の症例では、CPAPが必ずしも第一選択肢になるわけではなく、マウスピースや外科的治療が考慮される場合もあります。外科的治療やマウスピース治療は、痛みや時間、費用の問題があるため、これらを避けるために開発されたのが口腔咽頭エクササイズです。

2005年、スイスのチューリッヒ大学病院の研究者が、オーストラリアの先住民アボリジニの楽器であるディジュリドゥの演奏が、いびきや睡眠時無呼吸症候群の改善に役立つことを発見し、世界中で注目を集めました。この研究では、ディジュリドゥを1日25分、週に6日演奏することで、4か月後にAHIが低下し、上気道の筋肉が強化されたことが効果の一因とされています。

口腔咽頭エクササイズの効果

1995年頃から、オトガイ舌筋への電気刺激を通じて筋肉を収縮させ、舌を前方に移動させることで呼吸抵抗が減少し、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が軽減されると報告されてきました。しかし、電気刺激装置は普及しませんでした。そこで、ディジュリドゥの演奏が改めて注目され、口腔咽頭エクササイズの有効性が再評価されることとなりました。2015年、スタンフォード大学の研究チームがこれまでの研究を分析した結果、成人のOSA患者の約50%が改善を示し、2017年のメタ解析ではいびきの改善率も約50%と報告されています。

口腔咽頭エクササイズの原理

いびきは、睡眠中に鼻や喉の狭い部分で空気が振動することで発生します。舌や喉の筋肉が気道を広げるため、これらの筋肉を鍛えることが目的です。

口腔咽頭エクササイズの具体的な方法

ここでは、簡単に行える口腔咽頭エクササイズの方法を紹介します。毎食後の歯磨き後に行うと習慣化しやすいです。以下の7つのステップを順番に行います。

  1. 舌のブラッシング
    舌を前に出し、先端と辺縁を軽くブラッシングします。前後に5回繰り返します。
  2. 舌のスライド運動
    軽く口を開け、舌の先端を上前歯の裏側につけてから、舌を上顎に押し付けつつ後ろにスライドさせます。これを3回繰り返します。
  3. 舌のプレス運動
    舌の先端を上前歯の裏側につけ、舌全体を口の底に押し付けます。これを3回繰り返します。
  4. 舌のストレッチ運動
    舌を強く下に出し、オトガイに届くようにし、次に鼻に届くように上に出します。これを3回繰り返します。
  5. ブローイング
    鼻から大きく空気を吸い込み、くちびるを閉じながらゆっくりと息を吐き出します。これを5回繰り返します。
  6. 発声練習
    鏡の前で「あ、え、い、お、う」と各1-2秒発声し、5回繰り返します。
  7. スマイル
    鏡の前で笑顔を作り、1-2-3と数えながら維持します。これを3回繰り返します。

改善が見られない場合

いびきには様々な原因があり、1つの原因だけとは限りません。もし、エクササイズを続けても改善が見られない場合は、鼻や喉が狭くなっている可能性があるため、耳鼻咽喉科医の診察を受けることをお勧めします。

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執筆者

医療法人凌和会すが歯科矯正歯科

理事長 菅 良宜

治療理念

人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい

すが歯科矯正歯科守口門真院の院長

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